2012年6月13日水曜日

「無言実行」

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「有言実行」は、自分で言ったことをキチンとこなすことを言うが、「無言実行」は誰にも言わずキチンとやるべきことをこなすことを言う。

「無言実行」が、独立してからの自分の信条になってきている。

1 最近偶然、Start Up Datingで「クックパッドものづくり三原則」が出ていた 2 今回ブログを書くにあたって検索したら、不言実行がメジャーらしい。けど、自分の中の原体験に紐づいていて、別に、にわかで無言実行と言い出した訳じゃないよ、と書き足しておく。

自分のイメージする状態を手に入れるために、より確実な方法は有言なのか、無言なのか。俺は、無言だと考えている。独立後からそう考えるようになった。

確かに、「言霊」という話もある。自分が発言することには魂が宿っていて、より実現しやすくなる。という話だ。ゴールを声高に叫んで、周囲の中で共感してくれる人を巻き込んで、大きくしていく。そういう展開。

以前は、そう思っていた。

今は、無言実行を主に置くべきであり、未来のことを話す相手はよっぽど選ぶべきだと考えている。人に自分の行き先を伝えることは、よくも悪くも変数が一つ加わるのだ。そして、イメージする状態を手に入れる時に、外部の変数が増えることが時として、(いや、往々にして)プラスに働かないケースが多いと考えている。
自分が話す相手を選び、話す相手がどういう反応をしてそれがプラスに運ぶのか、をイメージしてから、話すべきである。

「有言」して実施まで至るケースが何割あるんだろう。明日も来週も分からない世界の中で、未来の宣言をする勇気が俺にはないし、変化することが当たり前だと思うので、有言は想定外の着地になるケースがほとんどではないかと思う。

また、実績が追いついていないのに、やりたいことだけ叫んでいてもかっこわるい。
世の中ではかっこわるいと思わない人が多いようだが。

例えば、最近のウェブ業界のトレンドでは、ティザーサイトを作ることがスタンダードになっているように思える。
※ティザーサイトとは、サービスのリリース前にコンセプトを表現したウェブサイトで、多くの場合は、先にFacebookページを用意して「いいね!」を押してもらうことで、興味のある人にプレマーケティングをかけるために利用されている。最近だと サイバーエージェント、9月末までに28個のスマホ向けサービスを展開へ などがネットで取り上げられていた。

有言実行スタイル視点でこれはあるべき方法だし、自分らを鼓舞するので意味でもいいのかもしれない。ただ、時代と逆行すると言われようと俺のスタイルではないと考えている。むしろ、アプリであればこっそりリリースして、少なくとも10万ユーザーぐらい利用者がついてから声だかに叫びたい。このアプリは俺たちなんだぜって。

例えば、コロプラがその有名な自社ブランドと切り離して、「Kuma the bear」というゲームブランドを走らせて、100万DLを超えてから、コロプラでしたと明かしている。
そうなったときにじゃあコロプラで出しますか?といわれると、そもそも位置ゲーではないので難しい。じゃあ別ブランドを作って出してみて反応をうかがってみようということになったんです。コロプラからの導線とかユーザーへのお知らせは一切せずに、どこまで行けるかちょっと様子を見てみようよと。


俺はこういうスタイルが好きだ。

有言しておいて、開いてみたら内容がしょぼかったり、結果300ユーザーしかいません、みたいになったら(往々にしてなると思うが)、次に期待してもらえるだろうか?俺は、たった1つのアプリのコンセプトを大々的に宣伝して、失う信頼信用の方が大きいと考える。
AKB48をプロデュースする秋元康だって100個以上のプロジェクトを同時並行でまわしている時代だ。いくらその人が人生をかけた渾身の1作であっても、その1つのものを確実に100%ヒットさせることは、奇跡が重なる以外、出来えないのだと考えるのが自然だと思う。
秋元康は常時100以上のプロジェクトを同時にこなしていると言っていた。同列では語れないが、多作で有名な安藤忠雄であっても並行して行うプロジェクトは50ということなので、その並列性はすごいと思う。

その意味では、一つのサービスコンセプトだけでファイナンスして走っていく最近のスタートアップのスタイルも俺の哲学とは違う。もし外部から資金調達をするのであればもっと安定的にいいものを生み出すプラットフォームを築くことに共感をしてもらうべきだと思う。

また、会社を作っていく上で、ビジョンが大事だという話があるが、ビジョンも俺の考えでは企業が存在する前からは存在し得ない。ただの妄想に過ぎないからだ。集まったコアメンバーが必死に走る中で、強烈な共同体験とともに共通のゴールを夢見る。俺はそれを言葉にするべきだと思うし、コアメンバーが増えれば、ビジョンは変化をしてもいいと思う。
メンバーの見ている方向性が大枠で一緒であれば最初はそれでいいし、何より死ぬ気で必死になれるのかということが大事だ。限界までやり尽さないと見えるものも見えないから。

最後に、これが言いたいことの一つなんだけど、「無言実行」というスタンスを決めて以来、このブログで何かを書くとそこから色々想像をされて意図しない変数が増えることを危惧して、なかなか記事をアップできなかった。今、自分がイメージしているものごとが事実として固まったときには、また更新していきたいと思っている。

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